ジェミーはハンカチを食いしばって引き裂いてしまいたい衝動に駆られた。
家族が生きている見込みがあるというのは、それだけでもありがたい。だけどこうまで連続でトラブル続きだと、さすがに精神的に頑丈なジェミーでも弱音を吐きたくなってしまう。これももともとスムーズに流れるはずだった悪役一家没落の運命を捻じ曲げて生き残ろうとする弊害なのか。
しかしながら、このピンチは私事だけではすまない。ペリエライツ家の傘下には、今ここに集まり縋るような目を向けてくる使用人たちのみならず、大勢の国民が収まっている。国内に広大な領地を有する名公爵家のひとり娘である彼女が、部屋に引き篭もり布団をひっ被って現実逃避しているわけにはいかないのだ。
「ふう。大体の事情はわかったわ。とりえあず、父がいない間は私が当主業を代行します。当面先延ばしにできるような仕事は脇において、早急に片づけなければならない仕事から割り振ってちょうだい。そういえば、私未成年だけど支障はないのかしら」
「あ、あの。こちらに書面が送られてまいりました。お館様の弟君にあらせられるルブロ様が形式上の後見役を申し出ましたが、ペリエライツ家に関わる業務に関しては、御嬢様に一任したいと」
「そうなの? まあ、その辺りは仕方ないわね」
カーライルの生家、ヴォルド家のことがふわりと頭に浮かぶ。
家族が生きている見込みがあるというのは、それだけでもありがたい。だけどこうまで連続でトラブル続きだと、さすがに精神的に頑丈なジェミーでも弱音を吐きたくなってしまう。これももともとスムーズに流れるはずだった悪役一家没落の運命を捻じ曲げて生き残ろうとする弊害なのか。
しかしながら、このピンチは私事だけではすまない。ペリエライツ家の傘下には、今ここに集まり縋るような目を向けてくる使用人たちのみならず、大勢の国民が収まっている。国内に広大な領地を有する名公爵家のひとり娘である彼女が、部屋に引き篭もり布団をひっ被って現実逃避しているわけにはいかないのだ。
「ふう。大体の事情はわかったわ。とりえあず、父がいない間は私が当主業を代行します。当面先延ばしにできるような仕事は脇において、早急に片づけなければならない仕事から割り振ってちょうだい。そういえば、私未成年だけど支障はないのかしら」
「あ、あの。こちらに書面が送られてまいりました。お館様の弟君にあらせられるルブロ様が形式上の後見役を申し出ましたが、ペリエライツ家に関わる業務に関しては、御嬢様に一任したいと」
「そうなの? まあ、その辺りは仕方ないわね」
カーライルの生家、ヴォルド家のことがふわりと頭に浮かぶ。



