~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

 そのような思惑を頭に浮かべている間にも、爵位や勲章の贈呈は進み――セニアの順番が近付いて来る中、次に頭に過るのは、式の前にこの場で貴族たちが話していた内容だ。

 ――あの三大公爵家、ペリエライツ家の当主たちがジェミーの旅行中に姿を消したらしい。
 
 その噂を聞いてセニアの心はふたつに割れた。家族が不幸に遭ったジェミーが憐れに思う気持ちと……血の繋がった家族を失くすという、自らと同じ境遇に陥るかもしれない彼女を歓迎するような、愉悦の気持ちと。

 そのことはセニアを苦しめ、いっそ、修道院でなにも考えず人々のために祈りを捧げていられたころが懐かしく思えたほどで――。

「――では、かの地をロドリエ領と改め、新たに爵位を譲り受けたこの者に伯爵号を贈呈する」
「ありがたき幸せ」
 
 割り切りようのない嫌な気持ちに浸っていたら、気付けば隣のジェイクの番が終わり、周りの視線がこちらに当てられていた。
 そして、その名前が呼ばれる。

「では、次。セニア・エレマール改め、セニア・エキュリゼ。前へ」