そんな中ぼんやりと歩いていたのがよくなかったのだろう。ある時セニアは、そのよく目立つ髪をフードで隠すことを忘れていた。彼女の髪は人目につくから、身辺には気をつけるようにと修道院にいた頃も言われていたのに。
「きゃぁっ!」
すれ違いざま、男が急にセニアの体に手を伸ばした。足が地面から浮き、気づくと彼女はがっしりとした男の肩口にかつがれ叫び声を上げる。
「いやぁぁぁぁっ!」
「なんだなんだ」
「おい、女の子がさらわれたぞ!」
男は人さらいだったようで、ずっとセニアが無防備になる隙を狙っていたらしい。彼は雑踏を強引にすり抜け、人気のない路地裏に飛び込んでいった。セニアは懸命に声を振り絞って助けを求める。
「誰かーっ!」
その時目が合ったのは、通りを進んでいた馬車の中に座る青年。
「きゃぁっ!」
すれ違いざま、男が急にセニアの体に手を伸ばした。足が地面から浮き、気づくと彼女はがっしりとした男の肩口にかつがれ叫び声を上げる。
「いやぁぁぁぁっ!」
「なんだなんだ」
「おい、女の子がさらわれたぞ!」
男は人さらいだったようで、ずっとセニアが無防備になる隙を狙っていたらしい。彼は雑踏を強引にすり抜け、人気のない路地裏に飛び込んでいった。セニアは懸命に声を振り絞って助けを求める。
「誰かーっ!」
その時目が合ったのは、通りを進んでいた馬車の中に座る青年。



