(きっと、若い頃はモテたんだろうなぁ……)
ジェミーも度々お世話になっている彼の細やかな気遣いは公爵家の執事たちをも凌ぐくらい。
顔立ちも未だキリッとしていて、彼が両手を後ろに回し佇んでいるだけで、その主が名家の出だと分かるくらいに風格がある。
そういえば、いつかルゼは、この老人だけがいつもそばについて自分を見守ってくれていたと話していた。
ルゼの幼少期がふと気になったジェミーは、それとなくウィリアムに尋ねてみた。
「ウィリアムさん。彼は、小さい頃からああなんですか? あまり人と付き合うのがうまくないっていうか、素っ気ないというか」
いくぶんか気を遣った表現にやんわりと首を振ると、老人は答えてくれる。
「いいえ。もっと素直な時分もございましたよ。特に小さな頃は。ですが……」
ウィリアムは微かに眉を潜め、教えてくれた。
ルゼが幼少期に大怪我で死の境を彷徨い、それがきっかけで家族と距離を置かざる得なくなったこと。それがもとで彼は孤立を望み、自分に任せられた物事以外、特に他人に関しては興味を抱かなくなったこと。屋敷の中でも限られた人間としか口を聞かなくなったこと、など。
ジェミーも度々お世話になっている彼の細やかな気遣いは公爵家の執事たちをも凌ぐくらい。
顔立ちも未だキリッとしていて、彼が両手を後ろに回し佇んでいるだけで、その主が名家の出だと分かるくらいに風格がある。
そういえば、いつかルゼは、この老人だけがいつもそばについて自分を見守ってくれていたと話していた。
ルゼの幼少期がふと気になったジェミーは、それとなくウィリアムに尋ねてみた。
「ウィリアムさん。彼は、小さい頃からああなんですか? あまり人と付き合うのがうまくないっていうか、素っ気ないというか」
いくぶんか気を遣った表現にやんわりと首を振ると、老人は答えてくれる。
「いいえ。もっと素直な時分もございましたよ。特に小さな頃は。ですが……」
ウィリアムは微かに眉を潜め、教えてくれた。
ルゼが幼少期に大怪我で死の境を彷徨い、それがきっかけで家族と距離を置かざる得なくなったこと。それがもとで彼は孤立を望み、自分に任せられた物事以外、特に他人に関しては興味を抱かなくなったこと。屋敷の中でも限られた人間としか口を聞かなくなったこと、など。



