百点満点の笑顔で答えた彼女のピュアさがいつまでも保たれることを祈りつつ、ジェミーが彼女を抱き上げていると、前方ではまだまだ飽きずに追っかけっこが続けられている。
「おい、やめろ! なんなんだその泥だらけの袋は! 服が汚れるだろ!」
「けっ、ボールも知んないの兄ちゃん。温室育ちのお坊ちゃんはこれだからつまんないのさ~! んなことじゃ、すぐにジェミー様に見限られちゃうぜ? ほれほれ、悔しかったらこっちに投げ返してみなぁ!」
「生意気なっ!」
いや、今度はキャッチボールに変わったらしい。布切れ入りの自作革ボールで服を汚され、一層頭に血が昇ったルゼが躍起になって、自分より二回りも小さい少年を追っている。その情けなさに、思わずジェミーも目付きが冷ややかになる。
「あーあー、あれじゃどっちがお守りしてあげてるんだか。いいのかしらね、お立場のある伯爵様があれで」
「よいのでしょう。たまには」
(おっとっと)
気付けば気配なくウィリアムが隣に並んでおり、ジェミーは口を噤んだ。
だが今は、常にかくしゃくとしている老人の表情もどこか和らぎ、微笑んでいるように見えなくもない。
「おい、やめろ! なんなんだその泥だらけの袋は! 服が汚れるだろ!」
「けっ、ボールも知んないの兄ちゃん。温室育ちのお坊ちゃんはこれだからつまんないのさ~! んなことじゃ、すぐにジェミー様に見限られちゃうぜ? ほれほれ、悔しかったらこっちに投げ返してみなぁ!」
「生意気なっ!」
いや、今度はキャッチボールに変わったらしい。布切れ入りの自作革ボールで服を汚され、一層頭に血が昇ったルゼが躍起になって、自分より二回りも小さい少年を追っている。その情けなさに、思わずジェミーも目付きが冷ややかになる。
「あーあー、あれじゃどっちがお守りしてあげてるんだか。いいのかしらね、お立場のある伯爵様があれで」
「よいのでしょう。たまには」
(おっとっと)
気付けば気配なくウィリアムが隣に並んでおり、ジェミーは口を噤んだ。
だが今は、常にかくしゃくとしている老人の表情もどこか和らぎ、微笑んでいるように見えなくもない。



