さすがに気味が悪くなり、セニアが叫ぶように言うと、その男は食えない笑みを浮かべこう名乗った。
「失礼、私はジェイク・ロドリエ。王都でささやかな商いをさせていただいている、しがない商人でして」
「ロドリエ……ロ、ロドリエですって!?」
聞き覚えのあるその姓に、セニアはあまりに驚いてふらふらとソファの上に倒れ込んでしまった。なにせ、ロドリエ商会というのは、この辺りの者なら誰でも知る、王都で三本指に入るほどの名の知れた大商会なのだ。そんなところの人間がいったいなにを?
うろたえるセニアを支えてしっかり座らせると、クラフトはいきなり妙なことを口走った。
「セニア、君はそろそろ本当の自分について知らなければならない」
「え?」
本当の自分――そんなことを言われても、セニアにはぴんと来ない。自分は生まれてすぐに親に捨てられ、孤児として育てられたただの少女で、多少珍しい身なりをしているだけの、他にはなにもない、そんな人間なのに。
だが、目の前の妙齢の商人は、瞳を欲望にぎらつかせている。
そして、もったぶるような沈黙で場を焦らせた後、昂った様子でありえない事実を明かしてきた。
「失礼、私はジェイク・ロドリエ。王都でささやかな商いをさせていただいている、しがない商人でして」
「ロドリエ……ロ、ロドリエですって!?」
聞き覚えのあるその姓に、セニアはあまりに驚いてふらふらとソファの上に倒れ込んでしまった。なにせ、ロドリエ商会というのは、この辺りの者なら誰でも知る、王都で三本指に入るほどの名の知れた大商会なのだ。そんなところの人間がいったいなにを?
うろたえるセニアを支えてしっかり座らせると、クラフトはいきなり妙なことを口走った。
「セニア、君はそろそろ本当の自分について知らなければならない」
「え?」
本当の自分――そんなことを言われても、セニアにはぴんと来ない。自分は生まれてすぐに親に捨てられ、孤児として育てられたただの少女で、多少珍しい身なりをしているだけの、他にはなにもない、そんな人間なのに。
だが、目の前の妙齢の商人は、瞳を欲望にぎらつかせている。
そして、もったぶるような沈黙で場を焦らせた後、昂った様子でありえない事実を明かしてきた。



