「あの、どなたがおいでになったのでしょう?」
おずおずとセニアが、憮然とした顔で応接室の前で待つ養父に尋ねると、彼はこう答える。
「クラフト殿下だ。わざわざこのようなところにおいでになるなど、お前、なにか失礼なことをしでかしたのではないか?」
嬉しさと後ろめたさが混ざる気持ちで、セニアは弱々しい笑みを浮かべる。
「い、いいえ。そんなことは」
「ふむ、ならばよいが。それと、ひとり連れがいるようだ。商人の格好をしていたが、お前の知り合いか?」
「そんな方に心当たりはありませんが」
「そうか。残念ながら、殿下はお前個人とのお話をご所望だ。余計なことはするなよ、いいな」
卑しい商人風情を連れ歩くなど、第二王子はなにを考えていらっしゃるのか……と呟きながら、エレマール子爵はその場を後にする。
同行者に心当たりもなく、眉を寄せたセニアはこれ以上貴人をお待たせするわけにも行かずに、すぐに応接室の中に入った。
おずおずとセニアが、憮然とした顔で応接室の前で待つ養父に尋ねると、彼はこう答える。
「クラフト殿下だ。わざわざこのようなところにおいでになるなど、お前、なにか失礼なことをしでかしたのではないか?」
嬉しさと後ろめたさが混ざる気持ちで、セニアは弱々しい笑みを浮かべる。
「い、いいえ。そんなことは」
「ふむ、ならばよいが。それと、ひとり連れがいるようだ。商人の格好をしていたが、お前の知り合いか?」
「そんな方に心当たりはありませんが」
「そうか。残念ながら、殿下はお前個人とのお話をご所望だ。余計なことはするなよ、いいな」
卑しい商人風情を連れ歩くなど、第二王子はなにを考えていらっしゃるのか……と呟きながら、エレマール子爵はその場を後にする。
同行者に心当たりもなく、眉を寄せたセニアはこれ以上貴人をお待たせするわけにも行かずに、すぐに応接室の中に入った。



