だが、どうしてもうまくいかない。度々よそよそしさを感じるようになってきた第二王子の態度だけではなく、気がかりは他にもある。入学式を終えても帝国からいまだジェミーが帰ってこないのは嬉しいが、最近クラフトの周りをジェミーとよく似た銀色の髪の少女がうろついている。彼女がどんな役割を与えられているのかは知らないが、そんな時間があるなら、もっと自分をかまってくれたらいいのに。醜い嫉妬心が膨れ上がるばかりで胸が苦しい。
(もし、またなにかあったら、私はクラフト様を信じられなくなってしまうかも)
そのことが恐ろしくなり、セニアはクローゼットを開くと、クラフトにもらった彼の瞳の色のドレスを抱きしめる。
(私は、どうしたら……)
微かなクラフトの残り香を拠り所に蹲るセニアの後ろで、固いノックの音がした。
「セニアよ。お前に来客だ」
「は、はい! すぐに」
養父であるエレマール子爵の声が響き、来客を告げる。この子爵家では使用人があまりおらず、度々こういうことがあるのだ。セニアは慌てて薄く浮かんだ涙を拭うと、身支度を整えて階下へと降りていった。
(もし、またなにかあったら、私はクラフト様を信じられなくなってしまうかも)
そのことが恐ろしくなり、セニアはクローゼットを開くと、クラフトにもらった彼の瞳の色のドレスを抱きしめる。
(私は、どうしたら……)
微かなクラフトの残り香を拠り所に蹲るセニアの後ろで、固いノックの音がした。
「セニアよ。お前に来客だ」
「は、はい! すぐに」
養父であるエレマール子爵の声が響き、来客を告げる。この子爵家では使用人があまりおらず、度々こういうことがあるのだ。セニアは慌てて薄く浮かんだ涙を拭うと、身支度を整えて階下へと降りていった。



