~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「ぐっ、足元を見おって~!」「やめろ、機嫌を損ねられては敵わん!」

 頭に血を登らせた政府高官が抵抗できたのも、大使たちの冷ややかな視線を浴びるまでだった。もし、コルクルヌ共和国が手をこまねいている内に、ビッカート共和国がこの話を受け入れてしまったら? 相手の心証は悪化し自国だけが損することになりかねない。

「……三日だけ、お待ちいただきたい。この通りだ」

 負けを悟り、一転政府高官は丁重な態度で頭を下げた。それを受け、帝国大使とカーライルは満足して席を立つ。

「そのくらいなら譲歩しましょう。では、後日よいお返事をちょうだいしに上がります」

 そう言い残し、悠々と帝国側の使節は議場を後にしていく。
 後ろで共和国の高官たちが、揉めに揉めている姿を尻目にしながら、カーライルは密かに独りごちた。
(この様子だと、ビッカート共和国の方でも同じようなことになっているだろうな)

 向こう側では、ジェミーたちが帝国側の使節に同行している。なんとなく、彼女ならばこちら以上にビッカート共和国をやすやすと丸め込んでいる、そんな気がする。