~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「いやしかし、さすがに金と同等の価値というのは行き過ぎでは――」

 そこで帝国の大使はすかさずにっこりとした。

「いや、同等の価値というのは誤りですね。今や国内では、金二倍相当の価値の品として扱われています。そして今後しばらくは価値も上昇し続けるでしょう。なにせこの食品は疲労時の滋養強壮に優れ、適切な環境下であれば長期保存も可能。非常食としてもすこぶる有用です。もっとも、保管していたところで、うますぎてついつい手を出してしまいかねませんがね」

 帝国大使は、豪快に包装紙をむしりとるとチョコレートを齧る音を軽快に響かせる。

「どうです。共和国の皆様もこの恩恵に預かる気はありませんか?」
「ど、どういうことだ?」
「この食品の流通は、現在帝国が厳重に管理している。我々としても、突如降って湧いてきた金の卵をそう簡単に手放すわけにはまいりませんからな。ですが、あなた方の立場は特別だ。私たちと仲良くしてくださるというなら話は別です」

 友好的な顔の大使がさっと手を上げると、いつのまにか運び込まれた荷物の山から、覆いがバサッと取り払われた。そこにあったのは、金塊のようにうずたかく積まれたチョコレートのピラミッド。