~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「そのまさかです。チョコレートは菓子なのですよ。どうぞ皆様も、包装紙をお外しになり、この場で一度味わっていただきたい」
「菓子だとぉ? 馬鹿にするな!」
「こんなものに金と同等の価値があるわけがないであろう!」
「どうやら、帝国は我々を侮辱しに来たと見える!」

 次々と罵詈雑言が吐かれ、交渉の場に怒号が飛び交った。だが、帝国大使は涼しい顔で動じず――そして、隣のカーライルは真顔で言った。

「食べてみれば、わかりますよ」
「王国の大使殿まで!?」
「ならば、まあ……」

 その確信めいた表情に只事ではないと感じたのか――渋々政府高官たちはチョコレートを手に取り始める。そして、ひとり、またひとりと口にしていき、しばしその会議場ではパリポリとチョコレートを齧る音だけが奏でられた。
 異常な光景の中、政府高官たちの評価も皇宮に参じていた貴族たちとまた同じく――。

「むふっ! う、うまい! なんだこの舌にまとわりつく甘味は!」
「くう、確かに食べたことのない味! いったいもとはなんだ、どのように加工されて作られた?」