一枚絵もかくやというヒーローの現物に、記憶を思い出す前の悪役令嬢もドッキドキ。ジェミーは頬を赤く染めノックダウン寸前だ。だが、絆されている場合じゃない。ジェミーはこれから彼の好感度を下げまくってそばに寄ってこないよう計らう必要があるのだ。
「セニア、久しぶりだね。それにジェミー。騒ぎになっているようだが、いったい、なにがあったのかな?」
(その半分はあなたの登場のせいなんですけど。あっ! なによそれ)
穏やかに微笑むクラフトが近づいてくると、セニアはさっとその陰に身を隠してしまう。その構図だと、まるでジェミーが彼女を苛めたようではないか。
そしてその態度に真っ先に取り巻きの令嬢たちが反応してしまった。
「ちょっとそこの女! どこの誰かは知らないけれど、この方が誰だかわかってらっしゃるの?」
「ジェミー様を差し置いて、クラフト様に媚びを売るなんて! どこの家の娘よ!」
(やめてーっ! ややこしいことになるから!)
ジェミー自らがクラフト殿下に気があることを公言していたのだから、こういう反応になるのも已む無しか。彼女たちなりの友情の形なのかもしれないけれど、今は大変余計だ。リエッタとイリスが、ずずいと前に出るのをジェミーは必死に押しとどめる。
「セニア、久しぶりだね。それにジェミー。騒ぎになっているようだが、いったい、なにがあったのかな?」
(その半分はあなたの登場のせいなんですけど。あっ! なによそれ)
穏やかに微笑むクラフトが近づいてくると、セニアはさっとその陰に身を隠してしまう。その構図だと、まるでジェミーが彼女を苛めたようではないか。
そしてその態度に真っ先に取り巻きの令嬢たちが反応してしまった。
「ちょっとそこの女! どこの誰かは知らないけれど、この方が誰だかわかってらっしゃるの?」
「ジェミー様を差し置いて、クラフト様に媚びを売るなんて! どこの家の娘よ!」
(やめてーっ! ややこしいことになるから!)
ジェミー自らがクラフト殿下に気があることを公言していたのだから、こういう反応になるのも已む無しか。彼女たちなりの友情の形なのかもしれないけれど、今は大変余計だ。リエッタとイリスが、ずずいと前に出るのをジェミーは必死に押しとどめる。



