~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「これは驚きじゃ! 味もさることながら協力者たちの功績を忘れぬそなたの配慮、まことに心打たれたぞ。両者とも見事であった。だが、勝負である以上、優劣をつけねばならぬのは決定事項。そこで、肝心の判定じゃがな」

 真面目な顔に戻った皇帝の言葉に、会場は水を打ったような静まりを見せ。

(えっえっ。私本当に、ここで将来のパートナーとか決められてしまうわけ?)

 欠片ほどもぴんと来てないジェミーはカーライルとルゼの間で視線を右往左往させた。クラフトとの婚約だって、具体的なことなどなにも考えたことがなかったのに。心の準備などまるでできておらず、急速に現実味を帯びだした結婚の二文字に、どくん、どくんと心臓が早鐘を打つ。

 従兄か同級生かという、かなーり非現実的な選択肢に思考が全然追いつかない中、皇帝は重々しく口を開き、そしてそれは、ジェミーの動揺に一段と拍車をかけてしまった。

「どちらも、まことに甲乙付け難くあり、素晴らしい一品であったことに疑いの余地はない。引き分けとしたいのは山々じゃ。しかし、この日のために両者が真摯に取り組んできたことを思えば、決着をつけぬというのはあまりにも無粋。よってじゃ、余は、今ここにいるふさわしき者に、判定を下す権利を譲り渡す!」
(それって……)