ただし、確実にチョコレートのインパクトには及ばないだろう。
あの光を映すほどの滑らかさと、どんな姿にも変身できる柔軟さこそが、かのスイーツの魅力の一翼を担っているのだから。
さりとて、もう時間がなさすぎる。人を雇うのも場所を借りるのもただではない。カーライルの説得に、ジェミーの瞳は力を失くしていった。
「そうかしら。それしかないのかしら」
「そうだよ。ボクとしても君のこんなしおれた姿は見たくない。でも、帝国が傾くまでに成果を出すとしたら、方針転換はやむを得ないよ。さ、ジェミー。後のことはボクがやるから信じてすべてを委ねてほしい。必ず皇帝陛下には、君の努力を理解していただくよう伝えてみせるから」
カーライルの優しい表情に、ジェミーは心は大きく揺れた。
まだなにかあるはずだ、足搔くべきだという執念と、大勢と共倒れになる前に手を打つべきだという保身の気持ち。願いと諦め、そんなふたつの思いをのせた秤がせめぎ、後者に傾こうとした時――。
「開けるぞっ!」
熟練の家令が止めるもないほど、唐突に部屋の扉が開かれる。
あの光を映すほどの滑らかさと、どんな姿にも変身できる柔軟さこそが、かのスイーツの魅力の一翼を担っているのだから。
さりとて、もう時間がなさすぎる。人を雇うのも場所を借りるのもただではない。カーライルの説得に、ジェミーの瞳は力を失くしていった。
「そうかしら。それしかないのかしら」
「そうだよ。ボクとしても君のこんなしおれた姿は見たくない。でも、帝国が傾くまでに成果を出すとしたら、方針転換はやむを得ないよ。さ、ジェミー。後のことはボクがやるから信じてすべてを委ねてほしい。必ず皇帝陛下には、君の努力を理解していただくよう伝えてみせるから」
カーライルの優しい表情に、ジェミーは心は大きく揺れた。
まだなにかあるはずだ、足搔くべきだという執念と、大勢と共倒れになる前に手を打つべきだという保身の気持ち。願いと諦め、そんなふたつの思いをのせた秤がせめぎ、後者に傾こうとした時――。
「開けるぞっ!」
熟練の家令が止めるもないほど、唐突に部屋の扉が開かれる。



