ガースルは情けない姿勢で執務机につっ伏すと、敗北者よろしくもろ手を上げて降伏した。
ペリエライツの屋敷の中では影の支配者であるコーネリアに物申せる人間はいないようだ。話は終わりのようで、ブラウンは頃合いを悟って機敏に身を翻す――。
「では、お館様奥方様、不肖ブラウンは、妹を補佐すべく、父のもとに合流しようかと。これにて失礼仕ります」
これ以上の追及を受けないよう、引き際が肝心とばかりに頭を下げたブラウンだったが。
「待てい」
そこでゾンビのようにガースルがゆらりと顔を上げた。彼の目には、この苛立ちをぶつける相手を逃すまいぞという怨念めいた意思が感じられ、ブラウンは再びゾッとした。
「お前には、ジェミーが向こうでどのような生活を送っていたか、報告する義務がある。そうだろう」
「で、ですが」
「ガーフィールの元もとにはこちらから遣いをやっておく。なにより王宮内部での工作に荒事向きのお前は要らんだろう。それに打ってつけの仕事も用意した。私たちは数日後、ランデルシア家に赴かねばならぬ。その護衛だ」
ペリエライツの屋敷の中では影の支配者であるコーネリアに物申せる人間はいないようだ。話は終わりのようで、ブラウンは頃合いを悟って機敏に身を翻す――。
「では、お館様奥方様、不肖ブラウンは、妹を補佐すべく、父のもとに合流しようかと。これにて失礼仕ります」
これ以上の追及を受けないよう、引き際が肝心とばかりに頭を下げたブラウンだったが。
「待てい」
そこでゾンビのようにガースルがゆらりと顔を上げた。彼の目には、この苛立ちをぶつける相手を逃すまいぞという怨念めいた意思が感じられ、ブラウンは再びゾッとした。
「お前には、ジェミーが向こうでどのような生活を送っていたか、報告する義務がある。そうだろう」
「で、ですが」
「ガーフィールの元もとにはこちらから遣いをやっておく。なにより王宮内部での工作に荒事向きのお前は要らんだろう。それに打ってつけの仕事も用意した。私たちは数日後、ランデルシア家に赴かねばならぬ。その護衛だ」



