~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「お前の若い頃とそっくりで――いや、なんでもない」
 スッ――と、視線のひと睨みだけで大公爵家の当主を黙らせると、コーネリアはふと表情を緩める。

「それでブラウン。あなたから見てその宝石の奪還作戦とやらは、成功する見込みはあるのかしら?」

 ジェミーと同じ色の、遥かに妖艶な瞳に心が見透かされたようで、ブラウンは穏やかな心地ではいられない。
 だが、なんとか再び背筋を伸ばすと、自らの考えを彼女に伝えた。

「自分には、成功の見込みはあるように思えます。ミリィはあれでなかなか優秀です。引退したとはいえ、茫漠(ぼうばく)の魔女と陰で呼ばれるほどの密偵であった母から直接指導を受けておりますから、その潜入技術は確かなものかと。それに城内の警備を担当する父もなんだかんだいって、妹には甘い。どうせ手を貸すことになるでしょうな。ジェミー様もどこかに文を送られていましたし、他に内通者、たとえば王太子殿下などが協力なさるとなると」

 ハーレント兄弟が王国に戻る前。ジェミーが王太子陣営につけられていた監視役に手紙を託すのを見て、ブラウンはその抜け目なさに感心していたのだ。父と王太子、王宮内部をよく知るふたりの人物の手を借りたなら、ミリィの能力も相まって成功の目はそれなりにあるように感じられる。コーネリアはそこでちらりとガースルを見た。