~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

 ドガッターンッ――!
 机がへこみそうなほどの勢いで両腕を叩きつけ、彼はその場から立ち上がった。放射される激怒の視線を間近で浴びることとなったブラウンのこめかみに汗が伝う。

(こうなってしまうのがわかっているから嫌だったんだよなぁー)

 ブラウンとしては、引き続きジェミーのそばで護衛していた方がまだ気が楽だったのだが、他ならぬ当主の娘の頼みを聞いてやらないわけにはいかず――と、そんな弁明をしたところで目の前の親馬鹿当主は聞き入れてくださりそうにもない。

「ブラウン貴様! これでもし、ジェミーになにかあったらどうするつもりだっ! ジェミーは今、あのルゼとかいう伯爵とふたりで行動しているということだろう! もし、間違いでもあったら、どう責任をとる!」
「おおお落ち着いてくだされお館様っ。ルゼ殿はすぐに国から世話できるものを呼び寄せると言っておられましたし。その、特にジェミー様に好意を持たれている様子もございませんでしたよ?」
「そんなもの、どうとでも隠せるに決まっておろうが! ジェミーはな、私が認めた然るべき人間としか交際させるつもりはないっ! それに、帝国との交渉も問題だ! もういい、こうなったら即刻私が帝国へ赴いて娘を取り戻しに――」
「お、お待ちくださいっ!」