~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

 そして次には調温(テンパリング)――温度を上げて溶かし、いったん分子構造をばらばらにさせたチョコレートの結晶を、冷やしたり温めたりで口当たりがよくなるように整える。

 といったそれぞれの作業が待っている。それさえ終えれば後は熟成期間をおくだけなのだが。

「うぐぐぐ、いったいどうすればうまくいくのよぉ~!」
 ここからがいっそう難題でなのであった。微細化と精錬なんて、こんなものとても人力でやる作業じゃない。ジェミーの求むクオリティを実現したいならなおさらだ。

 作業員と一緒にカカオを粉砕していたルゼも音を上げた。

「こりゃきつい。さすがに、人海戦術でやるにも限界があるな」
「困ったねぇ。一時間や二時間こね回したくらいじゃ、全然粒が砕けてくれない」

 雇った料理人に手伝わせて様子を見ていたカーライルも、なんとなくジェミーの求めるラインに達していないのがわかるのか、渋い顔だ。
 いろいろと帝国から連れてきた技術者と協議を重ね、より楽に作業が行えるように回転式の()(うす)などを作ってもらったけれど、それでも作業効率は芳しくない。