~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

 ココアバターを製造する傍ら、手の空いている人たちには焙煎したカカオ豆を砕いてどろどろのペースト(これをカカオマスという)にするという作業も進めてもらっている。そうしてできた練乳、カカオバター、カカオマスの三種の材料を一定割合で混合すれば、ジェミーの求める美味しいチョコレートの原液が完成する!

 従業員に混じって、身長くらいある巨大な鍋の中身をへらでぐるぐるかき混ぜる作業をしていたジェミーは達成感を感じつつ、こっそり味見をしてみた。

(んーっ! ちゃんとチョコの味してる! でもって、まだざらっざらで食べられたもんじゃないわね)

 砂を噛んだようにじゃりじゃりになった口を水でゆすいでいると、同じように味見をしたカーライルが渋い顔をした。

「うーん、確かに味はよくなったね。でも、まだまだこれじゃ食感が気になって食べられたもんじゃない」
「ふんっ、チョコレートのすごさはまだまだこれからよ!」

 そう胸を張ってみたものの、微かに見え出したゴールの前には、これからもまだまだ試練が立ちはだかる。

 微細化(レファイニング)と精錬(コンチング)――まあ言ってしまえばとことんきめ細かく潰して練り上げる。