~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「さすがにプロでもない我々が料理人の手を借りないわけにはいかないだろ? 君も一応は貴族の家柄なんだ、人脈も力の内だと考え、必要ならば自らで揃えたまえ。そして敗北者は大人しく彼女のもとを去る……」

 カーライルはクククと喉を震わせた。少年のような顔立ちにそぐわないその嗜虐的な表情が、不気味さを増幅させる。

「ジェミーがベースとなる完成品を用意するまでは共同戦線ということにしておいてあげるよ。いわば温情処置だね。君にも、別れを惜しむ時間は必要だろうから」
「異論ありません。その余裕が裏目に出なければいいですがね」
「生意気な。潰しがいがあるよ」

 しかしルゼも堂々とそれを受け止め、その条件で双方の決闘は承認された。

 まともに考えるならば、たった数年とはいえ帝国に根を張るカーライルと比べて、ルゼの方がやや不利な戦いだ。しかし彼にだって味方はいる。後ろに控えたウィリアムだって、瞬きひとつない静かな佇まいでルゼの背中を後押ししてくれている。
 話は終わったのか、カーライルはルゼの隣をすり抜けざまに告げた。