しかし、そんな簡単に心中を明かすことなどできはしない。
「は、はぁ。ちょっと慣れない王都の生活で体調を崩していまして」
「そうなのか? 遠慮せずともよいのだぞ? なにかよくない目に遭っているのなら、喜んで力になるが」
「ほ、本当になんでもないんです。なんでも」
ほとんど無意識で、そう取り繕っていた。恐かったのだ、大人に相談することが。
それにより一時的に事態が解決することがあったとしても、きっと周りの子供たちは納得なんかしない。
きっと今よりもっと陰湿で見つかりにくいやり方に切り替えて、カーライルを苦しめるだろう。その結果、学校を辞めるようなことになってしまったら、両親に迷惑が掛かる。この人たちだって、いつまでに彼に温かく接してくれるかわからない。
そう思うと、際限のない疑いと恐怖が喉に栓をし、喚き出したい気持ちを押し込めた。
「そ、それじゃ……今日はこれで失礼します」
たった数年だ。卒業までの間俯いて、我慢して大人しく過ごしていればいいだけ。
感情を殺したような笑みを浮かべて、彼が部屋から下がろうとした時だった。
「は、はぁ。ちょっと慣れない王都の生活で体調を崩していまして」
「そうなのか? 遠慮せずともよいのだぞ? なにかよくない目に遭っているのなら、喜んで力になるが」
「ほ、本当になんでもないんです。なんでも」
ほとんど無意識で、そう取り繕っていた。恐かったのだ、大人に相談することが。
それにより一時的に事態が解決することがあったとしても、きっと周りの子供たちは納得なんかしない。
きっと今よりもっと陰湿で見つかりにくいやり方に切り替えて、カーライルを苦しめるだろう。その結果、学校を辞めるようなことになってしまったら、両親に迷惑が掛かる。この人たちだって、いつまでに彼に温かく接してくれるかわからない。
そう思うと、際限のない疑いと恐怖が喉に栓をし、喚き出したい気持ちを押し込めた。
「そ、それじゃ……今日はこれで失礼します」
たった数年だ。卒業までの間俯いて、我慢して大人しく過ごしていればいいだけ。
感情を殺したような笑みを浮かべて、彼が部屋から下がろうとした時だった。



