「と、とんでもございません! わたしは御嬢様の突拍子のない指示に従うのがせいぜいで!」
「とすれば、生来の知恵者か。くく、今まで痴れ者を装っていたとみえる。此度もうまく皇帝に話を繋いだようだし、稀に見ぬ優秀な人材だな。クラフトがああも執着するのがそれを見抜いたからだとすると、余計腹立たしい。どうにかしてこちらの手元に置きたいものだがな」
(ああっジェミー様、なんだか王太子殿下まであなた様にご興味を持たれていますよぉっ)
自分の与り知らぬところで暗殺相手に高評価を受けていると知ったら――ジェミーの苦悶する姿を想像しておたおたするミリィの隣で、ガーフィールが太い腕を組み直した。
「ジェミー嬢には、いずれまた不肖の娘をお預かりいただいている礼を申さねばならぬとして。今はそれより、どうクラフト殿下の居室に忍び込むかですな。しかし、盗んだ後にも定期的に確認はするだろう。すぐ気づかれては元も子もないのでは?」
「あっ、父上。そうなんです。そのためにこれを」
指摘を受け、ミリィは胸元に忍ばせていた巾着から、ひとつの宝玉を取り出す。
それは、虹色の輝きで団長室を照らしてみせた。
「ほう。“永の蒼”とやらの贋物か?」
「はい。このためにお借りして参りました」
「とすれば、生来の知恵者か。くく、今まで痴れ者を装っていたとみえる。此度もうまく皇帝に話を繋いだようだし、稀に見ぬ優秀な人材だな。クラフトがああも執着するのがそれを見抜いたからだとすると、余計腹立たしい。どうにかしてこちらの手元に置きたいものだがな」
(ああっジェミー様、なんだか王太子殿下まであなた様にご興味を持たれていますよぉっ)
自分の与り知らぬところで暗殺相手に高評価を受けていると知ったら――ジェミーの苦悶する姿を想像しておたおたするミリィの隣で、ガーフィールが太い腕を組み直した。
「ジェミー嬢には、いずれまた不肖の娘をお預かりいただいている礼を申さねばならぬとして。今はそれより、どうクラフト殿下の居室に忍び込むかですな。しかし、盗んだ後にも定期的に確認はするだろう。すぐ気づかれては元も子もないのでは?」
「あっ、父上。そうなんです。そのためにこれを」
指摘を受け、ミリィは胸元に忍ばせていた巾着から、ひとつの宝玉を取り出す。
それは、虹色の輝きで団長室を照らしてみせた。
「ほう。“永の蒼”とやらの贋物か?」
「はい。このためにお借りして参りました」



