~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

 それに加えごつい体格でいかつい顔をしているわりに恐妻家で、母のナタリエだけにはいつも頭が上がらない。

「仕方ないですねぇ。母上もああ見えて意地っ張りですから。わたしからも今回はあんまり厳しくしないよう言っておいてあげましょう。お花だけは絶対に忘れてはいけませんよ」
「頼むぞぉ! 我はナタリエを愛しているが、仕事の方も大切なのだ。責任ある立場だし、何度体がふたつあればと思ったことか。この間だってひと月ほど帰らなかっただけで、耳を掴んで隊舎から屋敷まで街中を引き回されたのだぞ? あの時の情けなさったらなかった」
(お仕事と天秤にかけている内は、まだまだ母上のお怒りは収まりそうにありませんね~)

 ちなみにミリィもそう考えると、一応伯爵令嬢ではあるのだが、幼い頃からこの父と、母にいろいろ仕込まれて育ったおかげで、あまりそういう意識はない。

 元騎士であった兄のブラウン曰く、時折王国騎士からミリィにも縁談が申し込まれることがあるらしいが、それらはすべて、激高した父に挑戦者がぶちのめされてなかったことにされるとのことだった。ジェミーの父ガースルを見てもそうだし、父親という存在にはほとほと困ったものである。