~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「ラバサ、とりあえず人手は連れて来たから、これからカカオ豆の製造をどんどん進めていってほしいの。それから、現在流通している豆の買取もね。農場ごと買い取っちゃってもいいから、携わる人の給料も今までの倍に上げて、働きやすく、人が集まるような環境にしていってちょうだい」
「ちょっとちょっと、そんなお金どこからさぁ」

 さくさく進む話を鵜呑みにできず慌てるラバサの前でジェミーがパチンと指をはじくと、連れてきた使用人の手で皇帝から賜った開発のための軍資金が目の前にじゃんじゃか積まれて行く。

「う、嘘だろ!! たまげたよ、こんな額の金貨をチョコレート作りなんかに注ぎ込もうってのかい!? 正気の沙汰じゃない」

 仰天して思わず後ずさったラバサの近くに、それに気づいた作業員たちがどんどん詰めかけてくる。

「おい、あれを見ろ。見たことのねぇ量の金貨だ! もしかして俺たちの暮らしがこれから楽になるのか!? どうなんだ、ラバサさん!」
「ぬか喜びはしたくないけど、でもそうだったら私、今までの倍だって働いてやるわ!」
「説明してくれよ!」

 期待と疑念に胸を高鳴らす作業員たちの手前、ラバサはなんとか農場主のプライドで踏みとどまると、ジェミーの目をじっと見つめてきた。