~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「これだけでも相当な手間がかかってるのね~」

 漂う甘酸っぱい匂いにジェミーは鼻をひくつかせた。他の場所では、木箱から取り出した数日前のものが、マットの上に広げられており、ラバサは真剣な顔で頷く。

「簡単な仕事じゃないのさ。過酷な重労働で、体を壊すやつも多いから大変なんだよ。それでももうちょっと儲かる見込みがあったら、皆を楽に働かせてやれると思うんだけどね」
「なるほどね、果物や野菜みたいに簡単に売りに出せないわけがわかったよ。でも、ここからどうするんだい、ジェミー?」

 そばでそれらをじっくりと観察していたカーライルがジェミーのもとに戻ってきた。彼もそう言ってみれば、お酒という発酵飲料の原産地で生まれた人だから、作業の過程に興味があったようだ。

「そうねぇ。まずは地道にひとつずつ、問題をクリアしていくしかないと思うの」

 ジェミーが目指すのは、依然この世に出現していない固形チョコレートの製造だ。ざっくりとした展望を頭の中で浮かべただけでもいろいろな部分で課題が山積みになるのはわかりきっている。それでも、まずは最初の一歩を踏み出さねば話にならない。