そこで後を追うように顔を見せ、ぺこぺことお辞儀しながら彼を送り出したのは、なんとシェリン――先日からここで働き出した学生だ。彼女はクラフトからなにかの言葉をかけられ、うんうんと頷いている。
ここで密かに習得している密偵スキルが役に立つ。読唇術で、細大漏らさずクラフトの唇の動きを追ってみると?
(……の、とき……れば、……た、……らくする。その時になればまた連絡する、かな?なんのことでしょうか)
最後の方しか読み取れなかったが、クラフトは確かにそんな言葉を彼女にかけたようだ。これは気になる。第二王子である彼が、一介の平民の学生でしかない彼女に接触する理由が見つからず、ミリィはその場で頭を悩ませた。
その内に、クラフトは近くに止めていた馬車に乗り込むとさっさと去り、シェリンはなにか思い詰めたような表情で立ち竦んだ後、店に戻ってゆく。
ミリィは素早く木陰から出てそれを追いかけると、彼女の肩を叩いた。
「シェリンさん、お久しぶりです~」
「きゃっ、ミリィさんっ!? おっ、お元気そうですね! あれれ、ジェミー様はもうお帰りになったんですか? 帝国旅行に向かわれたって聞いていたのに」
ここで密かに習得している密偵スキルが役に立つ。読唇術で、細大漏らさずクラフトの唇の動きを追ってみると?
(……の、とき……れば、……た、……らくする。その時になればまた連絡する、かな?なんのことでしょうか)
最後の方しか読み取れなかったが、クラフトは確かにそんな言葉を彼女にかけたようだ。これは気になる。第二王子である彼が、一介の平民の学生でしかない彼女に接触する理由が見つからず、ミリィはその場で頭を悩ませた。
その内に、クラフトは近くに止めていた馬車に乗り込むとさっさと去り、シェリンはなにか思い詰めたような表情で立ち竦んだ後、店に戻ってゆく。
ミリィは素早く木陰から出てそれを追いかけると、彼女の肩を叩いた。
「シェリンさん、お久しぶりです~」
「きゃっ、ミリィさんっ!? おっ、お元気そうですね! あれれ、ジェミー様はもうお帰りになったんですか? 帝国旅行に向かわれたって聞いていたのに」



