~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

 いくら人格が混ざったとはいえ、悪役令嬢のジェミー自身はあの家族たちに育てられた。人のいい彼らが玉座を巡る争いに巻き込まれ、処刑の憂き目に遭ってしまう可能性を見過ごしてまで、自分だけが命惜しさに難を逃れることはできそうにない。心強い家族たちの存在が、一方で足枷になっている。世の中うまくいかないものである。

「すべてを丸く収めるのは大変そうね。ああ、ありがとミリィ、参考になったわ」

 第二王子がこちらを嘲笑う声が聞こえた気がして、ジェミーが物憂げなため息を吐き出すと、ミリィは不思議そうにぽつりとこぼした。

「あの~、もしかして御嬢様は、第二王子殿下とのご婚約をあまり快く思っておられないのですか?」
(ぎくっ)

 心臓がどきっと跳ねて、古くなった瓶ジャムの蓋をむりやり回すような固さで、ジェミーはミリィの方を向く。

「どっどっど、どうしてそう思ったのかしら?」
「おそれながら、ご家族以外で御嬢様が目下ご興味を持たれる男性なんて、第二王子殿下しかいらっしゃらないのでは? だとしたら、そういうこともあるのかと思いまして~」
(くっ、結構鋭いわね、この子)