~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

 ダイスカットされたマンゴーやパッションフルーツ、ナタデココなどを匙で掬うと、ジェミーは躊躇せず一気に頬張る。独特の甘酸っぱさと爽やかな南の風が鼻の奥に吹き抜けた。

「んまーい! でもびっくりだわ。レビエラでもほとんど見かけなかったし、絶対にこの世界には存在しないんだと思ってたのに」
「世の中にはいろいろな食べ物があるからね。お気に召したようでよかったけれど、残念ながらこんなものくらいでは、いくら保存が利いたところで状況を打開できる鍵にはならないだろ?」
「そうねぇ」

 カーライルの言う通りだ。冷蔵技術のないこの時代で食べ物の保存期間を伸ばそうとするならば、たとえば塩や砂糖、酢漬けなどや、もしくは極端に寒い地方や産地などに持って行って凍らす、乾燥させるくらいのことしか思いつかない。たとえドライフルーツを作ったところで、さすがにそれでは帝国の窮状は救えまい。

 がっかりな気持ちをスパイスとして山盛りフルーツをばくばくヤケ食いしていると、そこでなにか、ジェミーの舌を懐かしい感覚が刺激した。

(あれ、これって???)