~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「そこで、クラフト殿下が本物の“永の蒼”を盗み出したと?」

 遠慮がちに尋ねたルゼだったが、皇帝はついには王冠の載る頭を抱え、身を激しくよじり出してしまう。

「その通りなのだぁっ! 実は宝石職人は、なにかあった時のためにレプリカをもうひとつ作成しておってな。クラフト王子は我が娘からいろいろな情報を引き出す傍ら、王宮の宝石職人を脅してそれを手に入れておった。そして、娘が気づかぬ間に本物とすり替えてしまったのだ! 皇族の復権が叶ったことで、普段より皆が気を抜いて警備を薄くしていたのも痛かった。その隙をつくなどとは、あの青二才めぇぇぇ!」

 もはや皇帝は目を血走らせて、そのまま王国まで走っていきそうな勢いだ。

「あれだけは、どうしても取り返さねばならんのだぁぁっ!」
「陛下、それ以上は泡を吹いてお倒れになりますぞ! 大人しくなされいっ!」
「ぐはっ! なにをする宰相! 離せっ!」

 (たかぶ)るエディアン帝をなんとか止めようと、宰相が隣からショルダータックルをぶちかまして地面に抑え込む。じたばたするふたりに思ったより元気だなぁと思いながら、ジェミーはテンカウントを数えて騒ぎが収まるのを待った。