~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「それじゃあミリィ、学園まではよろしく頼むわね」
「か、かしこまりました、奥様」

 母の言葉に馬車の扉を開けて待っていたミリィが深々と頭を下げると、ジェミーはドレスの裾をたくし上げ、彼女の手を借り乗り口のステップに足をかける。この国の学園には決まった服装はないようなので、比較的地味なものを選んだ。物語に合わせるなら、ジェミーはもっと派手派手な衣装で周りを威圧していたはずだが、ただでさえ珍しい銀髪の人間がビカビカの成金ドレスなんか着たら悪目立ちするのがオチ。嫉妬なんぞバーゲンセールでも買ってやるまい。

 そう胸に決め込んで、立派な四頭立ての真っ赤な馬車に入り込むと窓から身を乗り出し、ジェミーはふたりに手を振った。

「では、行ってまいりますっ。お母様、お兄様」
「気をつけて」「おう、殿下との土産話を期待してるからな」

 からからと馬車の車輪は回り出し、あっという間に見送る彼らの姿は小さくなる。