「では、おふたりとも。こちらで陛下がお待ちになっておいでです。くれぐれも粗相のありませぬように」
ふたりが、他の部屋とはずいぶん離れた場所にあった一対の分厚い二重扉を潜り抜けると、ひと揃いのソファーセットが置いてあった。明らかに密談用の部屋で、そこには先ほどの国王陛下が浮かない顔で腰を落ち着けている。
再び深く頭を垂れ、その場に跪こうとするジェミーたちを、エディアン皇帝は押し止めた。
「待ちなさい。一刻も早くそなたたちの話が聞きたい。まずは席につかれよ」
「はっ、それでは」
緊張の面持ちでジェミーたちは皇帝の対面に座った。すると、彼はぼそぼそと陰鬱な声でジェミーたちに告げ始めた。
「もはや取り繕う必要もなかろうな。ここに来るまでに街人の様子や、臣下たちの沈んだ顔を見たであろう。我がカレンベール帝国は今、非常に危機的な状況にある。お主たち他国の国民に弱みを隠せぬほどにな」
ルゼが辛そうな皇帝の姿に大きく同意してみせた。
「陛下の苦しきご心中、まこと察するに余りあるほどかと存じます」
ふたりが、他の部屋とはずいぶん離れた場所にあった一対の分厚い二重扉を潜り抜けると、ひと揃いのソファーセットが置いてあった。明らかに密談用の部屋で、そこには先ほどの国王陛下が浮かない顔で腰を落ち着けている。
再び深く頭を垂れ、その場に跪こうとするジェミーたちを、エディアン皇帝は押し止めた。
「待ちなさい。一刻も早くそなたたちの話が聞きたい。まずは席につかれよ」
「はっ、それでは」
緊張の面持ちでジェミーたちは皇帝の対面に座った。すると、彼はぼそぼそと陰鬱な声でジェミーたちに告げ始めた。
「もはや取り繕う必要もなかろうな。ここに来るまでに街人の様子や、臣下たちの沈んだ顔を見たであろう。我がカレンベール帝国は今、非常に危機的な状況にある。お主たち他国の国民に弱みを隠せぬほどにな」
ルゼが辛そうな皇帝の姿に大きく同意してみせた。
「陛下の苦しきご心中、まこと察するに余りあるほどかと存じます」



