母コーネリアはジェミーと同じ色合いの容姿をした、おっとりとした貴婦人だ。しかしその目が怒る時はきゅっとすぼまり、ただならぬ威圧感を発するのをジェミーは知っている。そして兄ウィンダスは、父と同じ焦げ茶の髪に瞳をしていて、ジェミーがやや父寄りの顔立ちをしているのに対し、彼の顔は母寄りの造り。優男風の印象でいかにもモテそうな感じだが、今のところ婚約者は決まってないらしい。
まったくふたりとも普通の良識人で、あの悪役令嬢ジェミーの係累とは思えない。もっとも劇中にその姿は出てこなかったし、実際会ってみるとこんなものなのかもとも思う。
「しかし、お前が第二王子殿下から見染められるとはなぁ。兄として鼻が高いぜ」
「そうね。学園でお会いすることもあるでしょうから、その時は粗相なくお相手するのよ。くれぐれもはしたない真似は慎むこと」
「わ、わかっております」
今からその第二王子殿下との婚約をぶち壊しにするために学園に通うんですけどね、とは目の前のふたりにはまかり間違っても教えられない。
ジェミーはによ~んと非常に曖昧な笑みを浮かべて見せた。
まったくふたりとも普通の良識人で、あの悪役令嬢ジェミーの係累とは思えない。もっとも劇中にその姿は出てこなかったし、実際会ってみるとこんなものなのかもとも思う。
「しかし、お前が第二王子殿下から見染められるとはなぁ。兄として鼻が高いぜ」
「そうね。学園でお会いすることもあるでしょうから、その時は粗相なくお相手するのよ。くれぐれもはしたない真似は慎むこと」
「わ、わかっております」
今からその第二王子殿下との婚約をぶち壊しにするために学園に通うんですけどね、とは目の前のふたりにはまかり間違っても教えられない。
ジェミーはによ~んと非常に曖昧な笑みを浮かべて見せた。



