そう言えば、クラフト殿下がその大事件をうまく収めたから帝国を味方につけたんだっけ、とジェミーは思い出す。
「この国は国土が大きい分生産力には優れているという利点がありましたけど、それを生かすには他国の協力が不可欠です。事実、レビエラ王国も帝国から結構な量の作物を輸入したりしていますしね。でも、それは双方の信頼が成り立っているからこそ。侵攻騒ぎは周辺諸国の信頼を大きく損ない、いっせいに帝国産の品物の不買運動が起きると共に、輸出物も差し止められた。どうなったかは自ずとわかりますね?」
(すんごいやばそー)
アホみたいな感想を浮かべる一方、悪役令嬢のハイスペック頭脳は、クラフトの説明をちゃんと理解していた。これだけの大国だ、輸出入による恩恵を受ける人間が少ないわけがない。
食糧や生活物資が滞り、または売れなくなれば貧しい人々が悲鳴を上げる。暮らしていけなくなる人が増え、犯罪で治安が乱れ始めれば、芋づる式に国内でも反乱まで起き始める。
そうなったら鎮圧に国が多くの力を割くことになり、国庫の負担は増えるわ王政批判に繋がるわ、国からすればいいとこなしだ。考えるだけで胃がキリキリしてきそう。
「この国は国土が大きい分生産力には優れているという利点がありましたけど、それを生かすには他国の協力が不可欠です。事実、レビエラ王国も帝国から結構な量の作物を輸入したりしていますしね。でも、それは双方の信頼が成り立っているからこそ。侵攻騒ぎは周辺諸国の信頼を大きく損ない、いっせいに帝国産の品物の不買運動が起きると共に、輸出物も差し止められた。どうなったかは自ずとわかりますね?」
(すんごいやばそー)
アホみたいな感想を浮かべる一方、悪役令嬢のハイスペック頭脳は、クラフトの説明をちゃんと理解していた。これだけの大国だ、輸出入による恩恵を受ける人間が少ないわけがない。
食糧や生活物資が滞り、または売れなくなれば貧しい人々が悲鳴を上げる。暮らしていけなくなる人が増え、犯罪で治安が乱れ始めれば、芋づる式に国内でも反乱まで起き始める。
そうなったら鎮圧に国が多くの力を割くことになり、国庫の負担は増えるわ王政批判に繋がるわ、国からすればいいとこなしだ。考えるだけで胃がキリキリしてきそう。



