際限なく広がる疑惑。そして困ったことはもうひとつ――。
「クラフト殿下。エレマール家のセニア嬢がお訪ねになっておられます。お仕事中だとお伝えしたのですが」
ドアノックの音に続く知らせがクラフトの指に力を加え、メキリと万年筆が鈍い音を立てる。
「はぁ。わかった。すぐ行くよ」
側近たちにやや白い目で見られつつ立ち上がると、クラフトは執務室を抜け出した。
そして案内された応接室に入り込むと、そこではセニアがソファの端に小さくなって腰掛けていた。しかし、そのしおらしい顔もクラフトが訪れたことを知るまでで。
「クラフト様っ」
パッと顔を華やがせて席を立つと、セニアはクラフトに抱き着いてくる。それをやんわりと受け止めながら、クラフトはやや困った視線を向ける。
「やあセニア。なぜこんなところまで来たんだい?」
「クラフト様にどうしてもお会いしたくて。ご迷惑でしたか?」
「そんなことはないが」
「クラフト殿下。エレマール家のセニア嬢がお訪ねになっておられます。お仕事中だとお伝えしたのですが」
ドアノックの音に続く知らせがクラフトの指に力を加え、メキリと万年筆が鈍い音を立てる。
「はぁ。わかった。すぐ行くよ」
側近たちにやや白い目で見られつつ立ち上がると、クラフトは執務室を抜け出した。
そして案内された応接室に入り込むと、そこではセニアがソファの端に小さくなって腰掛けていた。しかし、そのしおらしい顔もクラフトが訪れたことを知るまでで。
「クラフト様っ」
パッと顔を華やがせて席を立つと、セニアはクラフトに抱き着いてくる。それをやんわりと受け止めながら、クラフトはやや困った視線を向ける。
「やあセニア。なぜこんなところまで来たんだい?」
「クラフト様にどうしてもお会いしたくて。ご迷惑でしたか?」
「そんなことはないが」



