夜会も終わりかけの頃、王宮の庭園でセニアを慰めた時のことだ。
自信を失くしていた彼女を元気づけるため招待したはいいが、あんなことになってしまった詫びもあって、少しの間城から漏れ出る楽曲に合わせてステップを踏み、その後唇を合わせた。あのシチュエーションでは、そうすることがもっとも彼女の気持ちを惹くのに有効だと判断したためだ。
あのような離れた場所にわざわざ出てくる人間もいないと確信しての、計算ずくの行動だったのだが、にもかかわらずどうしてかウィンダスがあの場に姿を現した。
(もし彼があの場に潜んでいて、ジェミーにことのあらましを伝えたとしたら? なんらかの原因でもともと疑いを持っていたジェミーが私と手を切ることを決断する理由にはなる、か。まずいかもしれないな)
クラフトは珍しく人前でため息を吐く。
それをさらにジェミーが父親に明かし、自分を利用しようとしていると訴えたとしたら? そう言えば謝罪の後、ペリエライツ公爵は去り際妙に強い視線を送ってきていた。
であれば、これでペリエライツ家との婚約は絶望的だ。このままでは、クラフトの完璧な計画が、先行きがわからない五分五分の博打へと変じてしまう。
自信を失くしていた彼女を元気づけるため招待したはいいが、あんなことになってしまった詫びもあって、少しの間城から漏れ出る楽曲に合わせてステップを踏み、その後唇を合わせた。あのシチュエーションでは、そうすることがもっとも彼女の気持ちを惹くのに有効だと判断したためだ。
あのような離れた場所にわざわざ出てくる人間もいないと確信しての、計算ずくの行動だったのだが、にもかかわらずどうしてかウィンダスがあの場に姿を現した。
(もし彼があの場に潜んでいて、ジェミーにことのあらましを伝えたとしたら? なんらかの原因でもともと疑いを持っていたジェミーが私と手を切ることを決断する理由にはなる、か。まずいかもしれないな)
クラフトは珍しく人前でため息を吐く。
それをさらにジェミーが父親に明かし、自分を利用しようとしていると訴えたとしたら? そう言えば謝罪の後、ペリエライツ公爵は去り際妙に強い視線を送ってきていた。
であれば、これでペリエライツ家との婚約は絶望的だ。このままでは、クラフトの完璧な計画が、先行きがわからない五分五分の博打へと変じてしまう。



