~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

 今まで周りにいるのが身分に追従するだけの取り巻きばかりだったことを考えると、彼女が多くの人心を集めるその姿には、驚きを禁じ得ない。今までは、周りに敵ばかり作り信用できる人間がいないせいもあって、彼女を肯定してやるクラフトへの依存心が強まっていたというのに。
 あげく学期末が終わった頃に行われたのが、あの婚約お断りの謝罪だったというわけだ。

(あれ意外で最後にジェミーと話したのは、いつだ……?)

 どうしても自分に不手際が思い当たらないクラフトの記憶で思い当たったのは、先日の王宮での夜会のこと。そういえば、なぜかジェミーはわざわざ兄のウィンダスを選んであの場に参じていた。贅を尽くした夜会で目立ちたいだけならば、クラフトの招待に応じた方がよほど効果的だろうに。

 そして結局彼女はウィンダスと二、三回踊った後どこかへ消え、その後どうしていたかは知れない。クラフト自身もセニアのご機嫌取りで忙しくかまっていられなかった。
 あの日、なにかあったとするならば――そう考えたクラフトの脳内にひとつの可能性が過る。

(もしかして、あの時のことを見られた?)