「普通あの場所で、誰が後先考えずあんな提案をします! 不敬罪で捕縛されていてもおかしくはなかったんですよ! ああもう、一度あなたの頭の中を開いて、ちゃんとあるべきものが詰まっているのか見てみたいっ!」
(それは私も見てみたい)
ジェミーもそれには思わずうんと頷く。もしかしたら、あの場でフル回転させたことで、綺麗に遠心分離されたピンク色のドーナツがコンニチワしてくれるかもしれないじゃない――とまあ、そんなアホくさい冗談はさておいて。
「でも、とりあえずはうまく言いくるめられたじゃないですか――」
あの後、興味を持った王太子に、ジェミーは自分の考えを売り込んでみせた。
ジェミーがうまく交渉を取りつければ、クラフトの切り札ともいえる存在だったジェミーが、逆に彼の立場を崩壊させる要因になる。それは王太子にとって、なによりの意趣返しになるではないかと。
加えてジェミーは皇帝を第一王子側に寝返らせるのに必要な、ある情報を握っている。
もちろんこれは物語知識で、いかにしてクラフトが皇帝の支援を賜るに至ったかの経緯で、それはジェミーがかつて前世で読んだサイドストーリーにきっちりと語られていた。
(それは私も見てみたい)
ジェミーもそれには思わずうんと頷く。もしかしたら、あの場でフル回転させたことで、綺麗に遠心分離されたピンク色のドーナツがコンニチワしてくれるかもしれないじゃない――とまあ、そんなアホくさい冗談はさておいて。
「でも、とりあえずはうまく言いくるめられたじゃないですか――」
あの後、興味を持った王太子に、ジェミーは自分の考えを売り込んでみせた。
ジェミーがうまく交渉を取りつければ、クラフトの切り札ともいえる存在だったジェミーが、逆に彼の立場を崩壊させる要因になる。それは王太子にとって、なによりの意趣返しになるではないかと。
加えてジェミーは皇帝を第一王子側に寝返らせるのに必要な、ある情報を握っている。
もちろんこれは物語知識で、いかにしてクラフトが皇帝の支援を賜るに至ったかの経緯で、それはジェミーがかつて前世で読んだサイドストーリーにきっちりと語られていた。



