と、そんな一連の流れがあって――。

 車窓から帝国の青い空を見上げ、ジェミーはもの悲しげに呟いた。

「憐れジェミーはせっかくの夏休みをぶち壊しにされ……皇帝と第二王子を決裂させるためにカレンベール帝国へ赴かされるのでした……。はー、どうしてこうなっちゃったんでしょうねぇ」

 しかし、ルゼの口から飛んだのは慰めではなく容赦ないひと言だ。

「馬鹿ですかあなたは」
「ひどいですわっ、ルゼ様」

 ジェミーはうるうると瞳を光らせ、女の武器で身を守ろうとする。

「どうせ噓泣きでしょう」
(バレたか)

 が、それは秒で見破られ、ちろっと舌を出したジェミーを、ルゼは激しく糾弾した。