ならばいったい、いかにしてこの場を切り抜けようか。
 雨乞いじみたポーズで、頭の中がパテになりそうなくらいシェイキングしたジェミーの脳裏に、とある考えが閃く。

(あーっ! これしかないかも!)

 そして気づいたら、彼女はズバッと王太子に向かって指をつきつけていた!

「ええ~い、じゃあこういうのはどうですか! ようはデール様への脅威がなくなればいいんでしょう? ならば直接私が帝国に赴き、第二王子殿下を支援しないよう皇帝を説得してまいります! 自分の身の安全は、自分で買ってやりましょうとも!!」
「ジェ、ジェミー嬢!?」

 その堂々たる姿にルゼが血の気を引かせ、デールが薄く笑う。

「ほう――?」