~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

 加えて良家の子女であるジェミーは服装に妥協も許されず、今の彼女はお洒落は我慢から、をより過酷な環境で味わわされている、というわけだ。

 それでもまあ、シアー素材を取り入れて袖や裾周りを透かせたカナリーイエローのサマードレスは通気性という時点ではまだまし。貴族も楽じゃあないわよねぇと思いながら、ジェミーはレース付き扇をパタパタと振って蒸し暑さに耐えていた。

「うぅ、このままじゃどろっと溶けちゃいそ」
「御嬢様、お行儀が悪うございますよ。そんなはしたない姿をお見せになっては兄上はともかくとして、ルゼ様が目のやり場に困ってしまいます~」
「いや、別段微塵も困らないがね」
「はっはっは」
(くっ。色気のなさは自覚してるけどあんたらさぁ、ちったぁレディに気を遣ってくれたっていいんじゃございませんこと?)

 かっち~ん。
 笑ってごまかした護衛隊長のブラウンはまだいいとしても、問題は専属侍女のミリィの言葉に辛辣な事実をつきつけてくれやがった第三王子麾下(きか)の伯爵ルゼ・トーミアスだ。こやつ許すまじと、ジェミーは遠慮なく火力MAXのアイビームをお見舞いしてやったが、効果はいまひとつ。