~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド



 爽やかな日差しが照らす街道。
 地平線の端まで延々と続くその道を、一台の馬車がゆったりと進んでいる。

 かっぽ、かっぽ、かっぽ、かっぽ……。
 定常的に心地よく体を揺らすリズムに身を任せつつ、もとの世界からこの物語の中の悪役公爵令嬢に転生してしまったジェミー・ペリエライツは窓を開いた。すると、吹き込む気持ちのいい風が顔をくすぐり、車中の空気をまっさらに入れ替えてくれる。とはいえ――。

「暑い!」

 ぐでんと、ジェミーは窓枠にもたれかかる。

 日本と同じように四季があるらしいこの大陸では、当然ながらドレススタイルを貫くのはなかなか大変なのである。前世みたいに女性がノースリーブや足出しへそ出しのルックスで動き回れればまだマシなのだが、そんなことをすれば、たちまち娼婦だの淫売だの蔑まれて変態扱いで牢屋にぶちこまれそうな古い価値観が蔓延(はびこ)ったまま。