~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

 彼らがそれぞれテーブルに着くと、忙しい合間を縫ってパーティーの司会を務めてくれた(絶対やると聞かなかった)父が高らかに告げる。

「諸君! 本日は、うちのジェミーの生誕を祝う催しによくぞ集まってくれた! 今日は当家の料理人が腕によりをかけて作った料理を堪能しつつ、ぜひ娘を喜ばせてやってくれたまいっ! 思えばもう十六年前、娘が生まれし日には、天空から光の柱が我が邸宅を包み込み、窓から入り込んできた一体の天使が、我々にこう告げたのである! ジェミーは神の寵愛を受けし特別な御子であり、大切に――」
「あなた?」
「作り話はもういいですからっ!」

 そんなノリノリのガースルの脇腹を、母と両隣から肘で貫いて正気に戻させ。

「ぐふっ、お、お前たちがそういうならば仕方あるまい。ならばとにかく、各々方グラスをお持ちになっていただいて、ジェミーと共にこの日を迎えられたことを祝すとしよう! では、乾杯!」

 司会進行がようやく進み、チリン、と涼やかな音が各所で鳴って、そこから和やかなパーティーが始まった。
 ジェミーは自分の席での食事もそこそこに次々と他のテーブルを訪れ、参加者との歓談を楽しむ。