~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「受けてやるか、それともつっぱねるか」

 様々な損得を天秤にかけ頭の中で数字を並べたデールの考えは、固いノックの音で遮られる。

「入るがいい」
「ご用命に従い馳せ参じましたぞ、我が君よ」

 扉をノックして現れたのは、この国の宰相を務めている、ロドムという男である。
 やや小太りで、なかなかあくどそうな面構えをしているが、父王の右腕として長年政治手腕を発揮してきた有能な男だ。

「いささか気が早い。お前はまだ父上の直属だろうが」
「これは失礼を。しかしデール様、あなた様が王冠を戴くのも時間の問題でありましょう。家臣団を束ねる私めが後ろについておりますれば、いかにクラフト殿下が走り回ろうと王位継承争いに波乱は起こりえないでしょうからな。ふっふっふ」

 跪いていたロドムは不遜な眼差しでデールを見上げた。レビエラ王宮の中でも、次期王位継承者の順位が変更した事例は、近年では突然の病没などを除いて他にない。彼ら宮廷の中枢に居座る者からしても、デールが玉座に就くというのはほぼ決定事項に近いのだ。