~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「あっ、それはオレも見かけましたよ! ふたりが抱き合ってキスをしててですね。ジェミーたちが隠れていたのがバレそうになったのを、オレがうまくごまかしてやって」
「あなたは黙ってらっしゃい」
「いづづ」

 妹を助けたアピールも母には通用せず、耳を摘ままれた兄が沈黙した。やはり、あの時のウィンダスの酩酊はやはり振りだけだったらしい。救われたのは事実だし、後で母に口添えしておいてあげようと、ジェミーが苦笑いする中、ルゼの話は続く。

「彼は帝国と(よしみ)を結び、この王国の玉座を奪取するつもりでいます。しかし、僕たち第三王子陣営は、クラフト殿下を次期国王の適格者とは考えていない」
「その心とは?」
「クラフト殿下は、表で高潔な志を掲げながら、ジェミー嬢の利用やセニア嬢とのやり取り、秘密裏に帝国と手を結ぶなど、裏では自らの欲望のまま動いている。要は自分勝手なんですよ。ひとりの英雄としては傑物に値する素質を秘めているかもしれませんが、自らの考えに固執してそれを押し通そうとする国王など、国家に破滅を招きかねない」