～転生悪役令嬢の裏道攻略～ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

　それらを聞く度に、ガースルの拳の震えは強くなり、額の皺が一センチずつ長くなっていって――。

「ばっかもーんっ！」
（ひえぇぇぇぇっ！）

　エコーがかかるくらいの大声が屋敷中に轟き、叱りつけられたジェミーは耳を塞ぐと、ピンポン玉のように身を小さくした。　

「公爵家の一人娘の身でありながら、そのような危険な事件に首をつっ込むとは言語道断！　どうして、この父に相談しなかったのだーっ！」
（そんなこと言われましてもー！）

　転生を把握した時点でそのことを告げても、ジェミーには父を信じさせる材料がなかった。だから多少遠回りでも、確実な証拠を集めて最終的に彼を説得するつもりだった――な～んて言っても、多分この怒りは収まるまい。ジェミーにだってわかる。こういうのは理屈じゃないのだ。