~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

 こうした女心の懐柔テクがクラフトの恐ろしいところなのである。

 そしてふたりは腕を組み廊下から歩き出して行くではないか。

「ほらね。私の言った通りでしょう」
「言ってる場合ですか。追いますよ」

 ルゼに肩を押され、ジェミーは見つからないように距離を開けつつこそこそとふたりの後を着いていった。どうせ目的地はわかっているのだ。そして――。

(いい身分の者が、こんな暗がりに女性を連れ込むとは)
(いたいた、いましたよ)

 たどり着いたのは、月下の庭園。辺りに咲き誇る薔薇と、整然と敷き詰められたモザイクタイルが光によって浮かび上がり、ロマンティックなムードを演出している。

 そこでクラフトとセニアは向かい合い、なにか言葉を交わし合っている。
 見つからないように細心の注意を払い、胸の鼓動を押さえながらジェミーとルゼは、ちょうど近くで身を隠せそうな庭園管理小屋に近づくと、その陰からふたりを見守った。