「ど、どなたかお助けを~、御嬢様が妙な宗教にはまってしまったみたいでぇ」
「ミリィ、あんたも一緒にやるのよっ!」
「へぇっ!? あうあうあう~」

 だが、それは無情にも阻止。首根っこを引きずられ、彼女も仲良く三か条を唱和させられそうになった、その時。

「あ、あのう」
「ん~?」

 部屋の外から小さな声がかけられ、ジェミーが振り返る。

「し、失礼します、御嬢様。お父上のガースル様がお呼びでございますが」

 すると、そこではタイミング悪くやってきた使用人が、ドアの隙間からふたりを困った顔で見つめていた。腕を掴まれぐったりとしたミリィを解放してやると、ジェミーは片目をすぼめ、急な呼び出しに首を傾げてみせる。

(いったい何事かしらん?)