~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

 つい物語の回想に浸ってしまったジェミーは魂を呼び戻し、彼にその日の予定を開けるよう要請する。

「当日は私も兄と共に参加させていただくことになると思いますが、ルゼ様もそちらにご参加願えますかしら?」
「実はアルサイド様にすでに依頼しております。ただの情報交換の機会になると思っていたのだが、これは楽しみだ」

 ルゼの浮かべていた人の悪い笑みがジェミーの目の前で蠱惑的なものに変わった。

「その話が本当だとしたら、先んじてあなたと接触を持てたことを我々は感謝せねばならないな。情報の出所がどんなものによるにしろ、あなたの存在は我々にとって諸刃の剣となり得る。今後ともよい関係を続けていきたいものです」
(くうっ、笑顔が眩しい!)

 ジェミーは貴公子然としたその微笑みにくらっと来そうになりながら、なんとか理性を保つことに成功した。味方になってくれる可能性が高いと言っても、まだまだ気を許すわけにはいかない。その言葉の真意は、自分たちの意向に逆らうような動きをすれば、その時は容赦しないと言っているのと同義なのだから。

 負けじとジェミーもここは悪女笑いで応戦する。

「ご心配されずとも、私は富や権力にさほど興味はありませんの。毎日好きなものと仲のよいお友達に囲まれて、毎日のんびり平和にお茶が飲めたらそれで十分なのです」