「おめでとうシェリン。それじゃこれからこの店であなたに働いてもらうことにするわ。学生だからって特別扱いはしないわよ。しっかり期待に応えてくれなきゃ困るんだから」
「本当ですか! ありがとうございます! やった、やったあ!」

 同い年の友人として、彼女が実りある学生生活を送る手助けをしたい。
 そんな気持ちでジェミーがパシッと肩を叩くと、シェリンは大きくお辞儀しその場で飛び上がって喜んだ。

 ――そして後日。
 オープニングメンバーは揃い、開店に備えての従業員研修が開始される。
 士気高揚のため、ジェミーは大きく腕をつき上げ、シェリン含め他の皆もそれに倣った。

「皆、これからよろしく! やるからには必ずやこの店、ジェミーズ・ドロアーを王都一のラグジュアリーショップに仕立て上げて見せるわよ! いいわねっ!」
「「おーっ!!」」

 後はきりきり手を動かし、潤沢な商品在庫を確保していきつつ、パネマが作ってくれたお客様対応のマニュアルを頭に叩き込んでいくだけだ。

 開店の日はもうすぐそこ。もっとも、またそこからが大変なのだろうけど。