~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「ジェミー様、パネマさん、お願いします。私、自分の力でお金が稼げるようになりたいんです! 父は母がいなくなって、お店や私から目を逸らすようにお酒に逃げて! それが悲しいっていうか、すごく腹が立ったんです! だから、私は借金を返してお店のことだけはちゃんとした後、すっぱりお父さんとは別の道を歩んでやるんです!」
「っ採用!」
「ジェミー様!?」

 その情熱につい、ジェミーも応じて立ち上がり拍手してしまう。隣のパネマが諫めるように耳打ちしてきた。

「で、ですが無用な人員の補充は経営を圧迫してしまいます! しっかりお考えになった方が」
「いいじゃない、どうせ採用者たちには試用期間を与えるつもりだったし、そこでシェリンがしっかりやれるか見極めてやりましょ。それに、彼女みたいに時間帯の制限された人間をうまく使ってあげるのも、人件費を浮かせるコツよ。その辺りの練習だと思ってパネマ、頑張ってみてよ」

 こうやって大きく一生懸命働くことをアピールしてくれているし、なにより彼女にはお金に対する強い欲望がある。その意欲的に働く姿勢は、周りを盛り立てる力になってくれるかもしれない。

「ああもう、ジェミー様には敵いませんね」

 万年筆の尻でこめかみをぐりぐりとやっていたパネマは、しばらくすると諦めたようにそれを放り出し、経歴書に赤い採用のハンコを押した。